政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】
ホテルの外観は感嘆を溢すほど美しかったが中に入ってからもそれは同様だった。

すぐにホテルマンが私たちに声を掛け、楓君のことを見るなりお待ちしておりましたと出迎える。恐らく西園寺グループの一人息子であり副社長であることも認識しているようだ。

チェックインをする間、ウエルカムドリンクのシャンパンとスイーツを頂く。

「…すごいね。初めてだよ。こんなにいいホテル」
「そう言ってもらえてよかった」

グラスを傾けながら笑みをこぼすと視線をあたりへ移動させた。
彼の涼し気な目線にドキッとしつつも私はシャンパンを一気に飲み干した。
チェックインを済ませるとホテルマンに促されて私たちが宿泊する客室へ案内される。

「うわぁ！！素敵！」

客室に入った瞬間に私は目を煌めかせて感嘆の声を出していた。
各客室には、大きな窓が設置されておりそのお陰で窓から見える壮大な景色を堪能できるようになっている。

「海がきれい！！」
「この部屋が一番景色を楽しめるんだ」
「そうなんだ」

エメラルドグリーン色の海が視界一杯に広がる。
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