政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】

バルコニーには客室露天風呂が付いており、この景色を見ながらお湯に浸かれるようだ。

早く入りたい衝動を抑えながら隣の客室に行くとそこは寝室のようでキングサイズのベッドが二つ用意されている。ベッドを見るとやはり今夜のことを思い出してしまうが、それを隠すように「広いね!」と当たり障りのない感想を伝える。

このほかにもガラス張りの泳げるのではと思うほど広い浴室もあった。
屋上には野外プールもあるらしい。

「じゃあ、何か食べに行こう」
「うん。そうだね」

私と彼でホテルを一旦出ると近くにあった飲食店で遅い昼食を取った。
それからすぐに観光をすることになり、事前に私が調べていた“行きたいところ”に彼と行く。

「まずはね、定番の首里城に行こう!」
「いいよ。どうする?タクシーで行く?」
「歩くよ!日頃の運動不足解消だよ!」

目の前で拳を作り深く頷く私にまたしても楓君は笑っていた。
沖縄も彼の経営しているホテルがいくつかあるから、楓君は沖縄だって何度も訪れているだろう。それでも私と楽しそうに観光を楽しんでくれている姿にとても嬉しくなる。
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