政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】
近くの海で取れた新鮮な魚介類を取り揃えているお店だった。
楓君と私は少しだけお酒を飲みながらゆったりした時間を過ごした。
楽しい時間はあっという間で、店を出るころには明るかった辺りはすっかり暗闇に包まれていた。


 外に出るとすぐに繋がれた手に、酔いも相俟って体温が上昇する。
タクシーでホテルまで戻る。タクシーの中ではタクシー運転手が気さくな人だったから観光目的で来たことを伝えると美味しいお店などを教えてくれた。

 すぐにホテル前に到着する。
ホテルマンは私たちが到着するとすぐに迎えてくれる。


 客室に入ると普通ならば歩き疲れた体を休めるためにソファに腰を下ろしたりするものだけど緊張していてそれが出来なかった。
 
 今日おそらくすることにはなるがそのタイミングがわからないからだ。
どういうタイミングですることになるのだろう…―。合図があるはずなのだけど。(ネットで見た記事だとそう書いてあった)

「日和?客室露天風呂に入ってくる?それとも普通にシャワー?一応ここのホテル普通の風呂も外の景色眺められるようになってるから」
「あぁ、そうだね…じゃあ普通にお風呂入ってくる」

 客室露天風呂がリビングルームから丸見えだから少し恥ずかしいのもあって私はそそくさと浴室に向かった。
しかし浴室も客室露天風呂と同等レベルで景色も見れるしジャグジーバスだから十分楽しめる。

 私は酔いを醒ますようにお風呂に浸かった。

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