政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】
“何もしないから”
そんなことはわかってはいるのだけれど彼があえて言葉にして伝えてきたということは警戒させない彼なりの配慮があるのだろう。
楓君の部屋のベッドよりかは少し小さめのそれに二人で入る。
「熱確かに下がってきたね」
「うん、本当にありがとう」
「明日は仕事に行くけどなるべく早く帰ってくる。あとゼリーとか果物とかも買ってきてるから」
「すごく助かる。ありがとう」
お互いに正面を向きながら、それでも肩が触れそうなほど近い距離にドキドキしないはずがない。
「今月日和の誕生日でしょ?20日」
「…え?知ってたの?」
「知ってるよ。当たり前でしょ」
「クリスマスと近いといえば近いけど…どうする?家で過ごす?それともどこか泊まりにでも行こうか?」
「でも私の誕生日は…平日だよ?それに今月は忙しいでしょ?今日だって…」
顔を横に向けると彼も私を見ていた。
「忙しいけど問題ないよ。どうせならどこかでディナーしてそのままホテル泊まる?」
「いいの?」
「もちろん。誕生日の日にそばにいるのは俺でありたい」
「…」
そんなことを言われてしまえば、勘違いをしてしまいそうになる。楓君は夫として政略結婚とはいえ私を一番に考えてくれている。それだけは確かだと思った。
彼が体勢を変えて私の方に体ごと向けると、髪を撫でる。
猫になったように目を閉じる。
そんなことはわかってはいるのだけれど彼があえて言葉にして伝えてきたということは警戒させない彼なりの配慮があるのだろう。
楓君の部屋のベッドよりかは少し小さめのそれに二人で入る。
「熱確かに下がってきたね」
「うん、本当にありがとう」
「明日は仕事に行くけどなるべく早く帰ってくる。あとゼリーとか果物とかも買ってきてるから」
「すごく助かる。ありがとう」
お互いに正面を向きながら、それでも肩が触れそうなほど近い距離にドキドキしないはずがない。
「今月日和の誕生日でしょ?20日」
「…え?知ってたの?」
「知ってるよ。当たり前でしょ」
「クリスマスと近いといえば近いけど…どうする?家で過ごす?それともどこか泊まりにでも行こうか?」
「でも私の誕生日は…平日だよ?それに今月は忙しいでしょ?今日だって…」
顔を横に向けると彼も私を見ていた。
「忙しいけど問題ないよ。どうせならどこかでディナーしてそのままホテル泊まる?」
「いいの?」
「もちろん。誕生日の日にそばにいるのは俺でありたい」
「…」
そんなことを言われてしまえば、勘違いをしてしまいそうになる。楓君は夫として政略結婚とはいえ私を一番に考えてくれている。それだけは確かだと思った。
彼が体勢を変えて私の方に体ごと向けると、髪を撫でる。
猫になったように目を閉じる。