政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】
しかし、舞衣子の発言でその考えが変わる。
「まぁ私会ったことないしどういう人なのか写真でしか見たことがないから何とも言えないけどさ」
「うん…」
「ま。浮気されないように床上手になっておかなきゃね?キスもしてないなんて論外だよ!」
「でも私多分抱きしめ合うだけで十分満足できるんだよね。それ以上はいくら好きでも…望んでない」
「あぁ、そういうタイプかぁ」
若干引いた様子の舞衣子はティーカップに手を伸ばし、頼んでいたダージリンティーを一口飲む。
私もそれに続くように目の前のホットココアを飲んだ。
「確かに夫婦っていろんな形があるもんね。二人で話し合うしかないような気がする」
「うーん、そうだね。とりあえず楓君と話し合ってみようかな」
「そういえば、結婚してどこかで働かないの?子供もいないんだし働いたら?」
「そうそう、それもね、考えていたの。本当は昨日相談する予定だったんだけど…」
昨夜のことを思い出し一人で赤面する私を、目を細めて見据える舞衣子は、「なんだかんだ言って仲良しなんじゃないの?」と訊く。
「そんなことないよ!だってお互いのことちゃんと知らないし」
「ふぅん」
親友に相談に乗ってもらったが結局夫婦のことは夫婦で話し合うしかないという結論に至った。
ただ久しぶりに舞衣子と会うことが出来て楽しい時間を過ごすことが出来た。