政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】
最近はため口で楓君に接する機会が増えたからか、ハグの機会がぐっと減った。
キスはハードルが高いけど、ハグなら幸せな気分に浸れるし、まるで愛されているような感覚になるから好きだった。そもそも、あの日、お酒を飲みながら勇気を振り絞って楓君に抱き着いてから彼のハグは前のそれとは変わった。
迷惑だったのか、何か嫌なことをしてしまったのか不明だけどそのせいで自らハグをお願いすることもできずにいた。
今日は舞衣子が自宅に遊びに来ていた。
午後、有名なケーキ屋の袋をぶら下げて自宅に寄ってくれた。
「ありがとう~これすっごい好きなケーキなの!」
「でしょ?ちゃんと日和の好きなショートケーキと、チョコレートケーキ買っておいたから」
「嬉しい!コーヒー入れるね」
ケーキの入った袋を持ってキッチンへ向かうため立ち上がると、ソファに座る舞衣子が口元に弧を描く。
「へぇ、すっごいいい家だね」
「そうだよね。びっくり」
「家建てないの?都内の高級住宅街にでもぱっと豪邸建てたらいいじゃない」
「ええ~別に今のマンションも十分に広いし一つ使ってない部屋もあるから」
「ふぅん」
キスはハードルが高いけど、ハグなら幸せな気分に浸れるし、まるで愛されているような感覚になるから好きだった。そもそも、あの日、お酒を飲みながら勇気を振り絞って楓君に抱き着いてから彼のハグは前のそれとは変わった。
迷惑だったのか、何か嫌なことをしてしまったのか不明だけどそのせいで自らハグをお願いすることもできずにいた。
今日は舞衣子が自宅に遊びに来ていた。
午後、有名なケーキ屋の袋をぶら下げて自宅に寄ってくれた。
「ありがとう~これすっごい好きなケーキなの!」
「でしょ?ちゃんと日和の好きなショートケーキと、チョコレートケーキ買っておいたから」
「嬉しい!コーヒー入れるね」
ケーキの入った袋を持ってキッチンへ向かうため立ち上がると、ソファに座る舞衣子が口元に弧を描く。
「へぇ、すっごいいい家だね」
「そうだよね。びっくり」
「家建てないの?都内の高級住宅街にでもぱっと豪邸建てたらいいじゃない」
「ええ~別に今のマンションも十分に広いし一つ使ってない部屋もあるから」
「ふぅん」