政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】
…―…
…
目を覚ますと楓君に抱きしめられていた。
キスをした昨夜のことをすぐに思い出した。彼はまだ眠っているようで、端麗な顔立ちを目の前で見つめた。
朝からドキドキしているせいで、眠気は吹き飛んでいた。
そっとベッドから出ると顔を洗い、歯磨きをして髪を簡単に整えるとお気に入りのエプロンをつけて朝食の準備に取り掛かる。
今日は休日だ。普段よりも遅くに起きてくるだろうから私もゆっくりと準備をしていた。
「おはよう」
「あ。おはよう…」
すると、リビングに眠そうな楓君が歩いてくる。私は“いつも通り”の笑顔を向ける。楓君はいつも通りなのに私だけぎこちないのは恥ずかしい。
「ごめん、急きょ会社に行かないといけなくなった」
「え?!時間は大丈夫?もう朝ごはんできるから間に合うかな」
「大丈夫、そんなに急いでないし、すぐに帰ってくるから」
「そっか」
昨日の甘い雰囲気は一切なく、突然の仕事という発言と同時に私の動きも俊敏になる。
楓君はすぐに身支度を終え、朝食を食べ終えると「行ってきます」と言って家を出た。
いってらっしゃい、と言う前に出ていく楓君の背中を見てほんの少し寂しさが残った。
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目を覚ますと楓君に抱きしめられていた。
キスをした昨夜のことをすぐに思い出した。彼はまだ眠っているようで、端麗な顔立ちを目の前で見つめた。
朝からドキドキしているせいで、眠気は吹き飛んでいた。
そっとベッドから出ると顔を洗い、歯磨きをして髪を簡単に整えるとお気に入りのエプロンをつけて朝食の準備に取り掛かる。
今日は休日だ。普段よりも遅くに起きてくるだろうから私もゆっくりと準備をしていた。
「おはよう」
「あ。おはよう…」
すると、リビングに眠そうな楓君が歩いてくる。私は“いつも通り”の笑顔を向ける。楓君はいつも通りなのに私だけぎこちないのは恥ずかしい。
「ごめん、急きょ会社に行かないといけなくなった」
「え?!時間は大丈夫?もう朝ごはんできるから間に合うかな」
「大丈夫、そんなに急いでないし、すぐに帰ってくるから」
「そっか」
昨日の甘い雰囲気は一切なく、突然の仕事という発言と同時に私の動きも俊敏になる。
楓君はすぐに身支度を終え、朝食を食べ終えると「行ってきます」と言って家を出た。
いってらっしゃい、と言う前に出ていく楓君の背中を見てほんの少し寂しさが残った。