政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】
「そうなの?!どうしよう…そうなったら。私したことないんだよ」
「事前の知識は必要よね」
舞衣子との刺激的な会話に目を丸くしながらも私は授業を受ける子供のようにうんうんと真剣に彼女の話を聞いていた。
「じゃあ今度そういう本とか持ってきてあげるよ」
「本?」
「うん。それともエッチなDVDにする?」
「ええ?!いいよ、いらないよ!」
「いらないの?ふぅん」
つまらない、とでも言うように口を尖らせてコーヒーカップに手を伸ばす彼女の手を見て私は首を傾げた。
「え。舞衣子ネイルどうしたの?」
「あぁ、やめたの。子供出来たみたいで」
「…え?!!」
突然の報告に私は叫び、立ち上がった。
「お、おめでとう!!最初にいってよ~もう、何も用意してないよ~」
「だって、わかったの先週だし、まだ安定期でもないからさ」
目を潤ませながら新しい命が親友のお腹の中にいるとわかって本当にうれしくなった私は今日一日で何十回もおめでとうを言った。
「だから今日はハーブティー持ってきてくれたんだ」
「そう。つわりは今のところ全くないし、体調も大丈夫だよ。それよりも、今日旦那さん仕事なんだよね?」
「うん、そうだけど」
「そっか。日和ならいい家庭築けると思うし今後のこと話し合った方がいいよ。急に働きたくなったのも別の理由がありそうだし。そこも消化していかないと」
「…舞衣子」