エリート官僚は授かり妻を過保護に愛でる~お見合い夫婦の片恋蜜月~
正直に言えば、ひと目で惹きつけられるほど愛らしかった。
雪のように白い肌、華奢な身体つき。声は鈴を振るように耳に心地いい。そして、鼻と口は小さいのに目が大きく睫毛が長いせいか随分幼く見えた。
可愛らしい。こんなに可愛い人だったなんて。
もし、俺が大学時代に鉄二と親しかったら、その時点で彼女と出会っていた可能性もある。そうしたら、若い俺は自分の不器用さも顧みず、彼女に夢中になってしまっただろう。
こうして、三十手前で会うくらいがちょうどよかったのだ。
そう、この時点で俺は彼女との交際と結婚をすでに考え始めていた。
見た目とわずかな会話で決めるのは早計かもしれない。しかし、彼女をよく知るためにも早く交際したい。婚約の形を取りたい。
俺は男女問わず人付き合いが得意な方ではなく、ぼやぼやと彼女に踏み込めないでいるうちに、彼女が俺に興味を失うことだって考えられる。
この見合いの勢いで婚約までこぎつけておけば、多少の保険になるのではなかろうか。非常に臆病で情けない理由だったが、俺は本気だった。
幸いにも円山家の方が、この縁に乗り気だった。俺の交際の希望は即日彼女に伝えられ、おそらくは父親の言いつけの効力もあり、彼女は俺との交際を了承した。
雪のように白い肌、華奢な身体つき。声は鈴を振るように耳に心地いい。そして、鼻と口は小さいのに目が大きく睫毛が長いせいか随分幼く見えた。
可愛らしい。こんなに可愛い人だったなんて。
もし、俺が大学時代に鉄二と親しかったら、その時点で彼女と出会っていた可能性もある。そうしたら、若い俺は自分の不器用さも顧みず、彼女に夢中になってしまっただろう。
こうして、三十手前で会うくらいがちょうどよかったのだ。
そう、この時点で俺は彼女との交際と結婚をすでに考え始めていた。
見た目とわずかな会話で決めるのは早計かもしれない。しかし、彼女をよく知るためにも早く交際したい。婚約の形を取りたい。
俺は男女問わず人付き合いが得意な方ではなく、ぼやぼやと彼女に踏み込めないでいるうちに、彼女が俺に興味を失うことだって考えられる。
この見合いの勢いで婚約までこぎつけておけば、多少の保険になるのではなかろうか。非常に臆病で情けない理由だったが、俺は本気だった。
幸いにも円山家の方が、この縁に乗り気だった。俺の交際の希望は即日彼女に伝えられ、おそらくは父親の言いつけの効力もあり、彼女は俺との交際を了承した。