エリート官僚は授かり妻を過保護に愛でる~お見合い夫婦の片恋蜜月~
「で、でも、以前駿太郎さんのスマホの画面が見えてしまって、写真を……。ものすごく若い女性でした!」
「あ、……ああ~……うん。見た目は」
俺は言い淀み、少し恥ずかしい気持ちで母とのトークルーム画面を表示させた。
そこには母渾身の自撮り写真や恋人とのツーショットがいくつも送られている。見せると、芽衣子が俺と画面を交互に見て信じられないという顔をする。
「え、あ、いや、やっぱり三十代くらいにしか……でも、駿太郎さんと……似てる」
「あはは、……所謂美魔女というモノを目指してる母なんだ。アンチエイジングの鬼でね。俺の姉くらいに見えるのが目標らしいんだけど、実年齢は五十五歳だよ」
昔から若作りで綺麗な母親ではあったが、父との離婚が成立してから、憑き物が取れたかのように自由で天真爛漫な女性になってしまった。俺としては、もう少し年相応でもいいのだけれど、楽しんで生きている母を邪魔したくもないので何も言わないようにしている。
しかし、画面や名前の通知から芽衣子を誤解させていたとしたら、完全に俺が悪い。
「私……大学時代に駿太郎さんに年上の恋人がいたって兄に聞いていたから……てっきりその女性と続いているのだと……」
「鉄二の言っていた“恋人”も母だよ……。うん、紛らわしいよな。しょっちゅう大学近くに遊びに来て、俺と腕を組みたがるもんだから。マザコンっぽく見られたくなくて、俺もあれは母親だなんて誰にも言わなかったし」
「あ、……ああ~……うん。見た目は」
俺は言い淀み、少し恥ずかしい気持ちで母とのトークルーム画面を表示させた。
そこには母渾身の自撮り写真や恋人とのツーショットがいくつも送られている。見せると、芽衣子が俺と画面を交互に見て信じられないという顔をする。
「え、あ、いや、やっぱり三十代くらいにしか……でも、駿太郎さんと……似てる」
「あはは、……所謂美魔女というモノを目指してる母なんだ。アンチエイジングの鬼でね。俺の姉くらいに見えるのが目標らしいんだけど、実年齢は五十五歳だよ」
昔から若作りで綺麗な母親ではあったが、父との離婚が成立してから、憑き物が取れたかのように自由で天真爛漫な女性になってしまった。俺としては、もう少し年相応でもいいのだけれど、楽しんで生きている母を邪魔したくもないので何も言わないようにしている。
しかし、画面や名前の通知から芽衣子を誤解させていたとしたら、完全に俺が悪い。
「私……大学時代に駿太郎さんに年上の恋人がいたって兄に聞いていたから……てっきりその女性と続いているのだと……」
「鉄二の言っていた“恋人”も母だよ……。うん、紛らわしいよな。しょっちゅう大学近くに遊びに来て、俺と腕を組みたがるもんだから。マザコンっぽく見られたくなくて、俺もあれは母親だなんて誰にも言わなかったし」