婚約破棄をお願いしたら、年下御曹司様の溺愛から逃げられません!
家から20分ほどの場所にある四つ星のフランス料理レストランに到着した。
「では、いってらっしゃいませ」
運転手は、後部座席の扉を開けてくれてスムーズに降りる。エスコートが本当にお上手だなぁ……。
「夏帆、今日は分かってるな?」
「……え、何が?」
「結婚のことだ、豊浜さんは今日婚姻届持ってくると言っていたからしっかりサインするんだぞ」
……え? 婚姻届? もしかして、今日はそれのための会なの?
どうしよう、こんな展開考えてなかった。
「こんばんわ夏帆さん、光島社長」
「お〜圭吾くんに豊浜社長も。今日はありがとう」
「いやぁ〜まぁもうすぐ息子になるんだから堅苦しいことはなしだ」
お父さんが話している青年が豊浜圭吾。私の婚約者だ。