婚約破棄をお願いしたら、年下御曹司様の溺愛から逃げられません!


「まだ、好きとか分からないんだけど……」

「うん、うん」

「なんだろう、母性が働くというか……可愛いんだよね」

「へー!」


 二人は目をキラキラさせていてニヤニヤとこちらを見ている。


「ふふっよかったね」

「だからっ好きじゃないって……まだ」

「まだってことはこれから未来、好きになるってことじゃないの?」

「そ、それは」


 確かに「婚約破棄したい」と宣言して彼とほぼ毎日関わるようになってからもう三週間経っている。

 以前とは違い、情が湧いてきたというかそういうのがあるから……だけど、私は年上の人がいいのは事実だし。この感情がなんなのか分からずにいた。



「あと一週間でしょ、圭吾くんから言われた期限まで」

「……うん」

「今でも、婚約破棄したいと思ってる?」


 なぜかその時思い浮かんだのは、圭吾の可愛くて少年のような顔で……もし、もう見られられなくなるのは嫌だなっと思ってしまう自分がいた――……。




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