婚約破棄をお願いしたら、年下御曹司様の溺愛から逃げられません!
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「夏帆さん、大丈夫ですか」
「えっ、あ……はい」
今日、私は圭吾とのお出かけの日だ。
「どうしたの? 体調でも悪い?」
「違うくて……なんか可愛いな、と」
うわっ……本人に何言ってんだ、私は。
「あ、このケーキ可愛いですよね。ここ同級生から教えてもらったんです」
「そうなんだ」
圭吾が鈍くてよかった……と言うか、ケーキ可愛くて助かった。
「そうだ、夏帆さん。俺――」
圭吾が何かを言いかけたその時「あっ、圭吾!」と可愛い声が聞こえてきた。
「……っ井本さん!?」
可愛い子……すごくキャピキャピしてる。