婚約破棄をお願いしたら、年下御曹司様の溺愛から逃げられません!


「……待って」


 圭吾は私の手首を捕まえようとしたが、振り払う。
 すると、黙っている彼女が話し出した。


「婚約って、何? 圭吾、こんなおばさんと婚約してんの? え、ネタ?」


 ……は? 


「てかウケる〜もしかしてこの人がいるから全然相手してくれなかったとか?」

「……黙れ」

「えっ、何。なんか言った?」

「いい加減にしてくれない? 第一、俺あんたのことウザいって思ってた」


 圭吾、キレてる……? いつもはほんわかしてる怒りとは無縁そうな感じなのに。


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