婚約破棄をお願いしたら、年下御曹司様の溺愛から逃げられません!


 ***


 それから私は、圭吾のマンションへとお泊まりのために向かう。


「ちょっ……圭吾(けいご)っ」


 玄関のドアが閉められた瞬間、圭吾に噛み付くような勢いで唇が私の唇に触れる。彼の手が私の頬に触れると角度を変えてキスが繰り返された。


「……んんっ……」


 空気を吸うことができなくて、一瞬の隙に口を少し開く。すると、それを利用したのか圭吾の舌が私の口内に侵入してきた。

 圭吾の舌が私の歯茎をなぞり、私の舌と絡める。玄関なのにピチャピチャと淫らな音が響いている。

近所の人に聞こえないだろうか……と恥ずかしい気持ちに一瞬なったが、すぐに濃厚なキスに意識が向く。


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