婚約破棄をお願いしたら、年下御曹司様の溺愛から逃げられません!
別れたい
「夏帆ちゃん、準備出来たかしら?」
「あと、髪の毛だけよ」
翌日、私は豊浜家から贈られてくるワンピースを着て部屋でゆっくりしていた。
「お嬢様、今日はねじり三つ編みのハーフアップはどうですか?」
「うん……いいわね。それにしてください」
メイドの有紗にそう言うと、手際良く髪に触れて編み込みをしていく。ヘアピンで髪を止めると完成。それからヘアアイロンで髪を内巻きにワンカールをさせた。
「どうでしょう?」
「うん。ありがとう」
私はバッグを持つと部屋から出た。下に降りると、両親がもう待っていて「早くしなさい」と言われてしまった。
急いで階段を降りると、メイドや執事にお見送りされながら私は両親と光島家の運転手付き車に乗り込み出発する。