【望まない悪夢】
【(心配かけてごめんなさい、あの…仕事の方はどうなりました?)】

「それなら問題ない、店長が【今日はもう休んで葉月ちゃんの見舞いに行ってやりな。給料はちゃんと出すから心配しなくても大丈夫よ〜♪】だとよ」

【(本当に申し訳ないです…せっかく雇って貰ったのに)】

【まぁ、店長が大丈夫つってんだから大丈夫だろ】

その時、病室のドアがノックされた。

(コンコンコン)

「はーい」

先輩がドアを開けると、女医の瀬ノ原先生が立っていた。

「葉月ちゃん、お久しぶりね。突然だけど…貴方に大事な話があるの。申し訳無いのだけれど、男性の方は別室でお待ち下さる?」

「うす、了解っす」

先輩はボードに【先生が伊島に大事な話があるんだってよ。俺はしばらく散歩に行ってるから後で戻る】と書いて病室を後にした。

私はベッドから身体を起こし、先生の方を見た。先生がジェスチャーで「ボードとペンを貸して」と言ったので手渡す。

【出来れば驚かないで聞いてって言いたい所だけど、医者として黙って置く訳にもいかないからハッキリ言うわ。葉月ちゃん、あなた…妊娠しているの】

そういえば、ここ3ヶ月ほど生理が来ていない…元々生理不順だったから「まぁ、大丈夫だろう」と思っていたけれど…嘘でしょう?本当に?

私は泣きながら、出なくなった声を無理やり出して言った。

「せ…んせ……わた…私…ア…イツ…おと…さんの…子……おな…か…いる……の…?」
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