もう⋅⋅解放⋅⋅して⋅⋅⋅下さい

✧✧壊れる


私が目を開くと
白い天井が見え
目を横に向けると
旭が椅子に座って寝ていた。

「あさ···ひ··」
と、声をかけると
目を開いて、ほっとした顔をする旭。
「どこか痛いとか気持ち悪いとかない?」
「うん、多分。」
と、答えると
旭は、ナースコールを押して
先生と看護師さんがきて
私は、三日間意識がなかった
と説明してくれた。

旭やお義母さん、
結月に心配かけたようだ。

私は、検査と大事を取って
週末まで入院する事になった。

「退院して、一人でいるのは
絶対に駄目よ。」
と義母に言われて
結月は、
「おいで」
と、言ってくれた。
お義母さんも、
「家に来なさい。」
と、言ってくれたが
私は、
「実家にいたい」
と、言った。

お義母さんにも
本当に沢山助けてもらった。

お義母さんが、いなかったら
お通夜も葬儀も上手く回らなかった。

私が実家に行くなら
自分が一緒にいると
旭は言った。

本当に旭が献身的に
私を支えてくれた。

食事も喉を通らず
眠ることも出来ない
私に、食べれる物を買ってきてくれたり
「抱きしめても大丈夫?」
と、訊ねてずっと抱きしめてくれた。

私が····あの時···拒絶したから···

全てに気力がない私に
お風呂に入れてくれて
髪を洗ってくれたり

あの出来事が、
まるで嘘だったように
何事もなかったように
私達は、寄り添っていた。

情緒不安定な私に
結月も義母も
今、私には旭が必要だと思い
そっとしておいた
と、後に話してくれた。

旭は、会社をしばらく休んでくれた。
「今は、仕事より紬が大事だ。」
と、言ってくれた。

私は、悲しみから
中々開放されず
毎日、毎日涙が止まらずにいた。

旭は、とても心配してくれて
ずっと抱きしめてくれていた。

納骨になっても
「嫌!!、絶対イヤ!!」
と、言い両親の遺骨に
すがりつき泣く私に
「嫌なら一緒に入れば良いよ。」
と、言ってくれる旭に
「ありがとう。」
と、何度も言った。

お義母さんも結月も
心配して実家に来てくれていた。

結月は、alkuを再開してくれて
お店の状況や売上の報告にも
来てくれた。


私が、落ち着いてきたのは
両親がなくなっから
五ヶ月以上が経っていた。
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