もう⋅⋅解放⋅⋅して⋅⋅⋅下さい
17章 歪な関係
火曜日と金曜日は、
太田の実家で過ごしている。
茜との会話は
必要な事だけだが
葵と遊んだり、風呂に入れたりを
少しずつだが、やるようになった。
これが、紬との子だったらと
何度も、何度も思い
唇を噛みしめる。
土曜日と日曜日は、
金曜日の時点で
どうするか決める。
茜が用事がある時は、
俺が一人で葵をみたり
母さんがいたり。
俺が用事があるときは
茜と母さんが葵を見ていた。
葵は、2歳を過ぎて
俺をパパ、茜をママ、
俺の母親をバッチャ
と、言うようになり
会話も理解出来る。
葵は、可愛いとは思う。
週3回しか会えないからか
会うとべったりだ。
茜とは、
相変わらず会話もない。
わからない事があると訊ねて
それに答える
そのくらいだ。
そんな俺達に
母親は、いささか呆れてはいるが
様子を見てくれていた。
母親も葵が可愛いらしく
散歩に行ったりしている。
まだ、何も決まっていないから
保育園に関わる送り迎え等には
旭も里子も手を出さずにいる。
俺が葵と公園に行っている時に
紬の友達の結月ちゃんと会って
「こんな風になっているなら
紬を解放してください。
なぜ、紬たけが辛い思いをしないと
行けないのですか?
あなた達は、紬をなんだと
思っているのですか?
これ以上、紬を傷つけるなら
こちらにも考えがあります。」
と、言われ
俺は、何も答えられなかった。
そんな俺に葵が
「パパっ?」
と、言いながら手を引く
「ごめん。帰ろうか?」
と、言うと葵は
「アイス。」
と、言うからアイスを買ってから
帰宅して部屋に閉じこもった。
里子は、そんな旭を見て
何かあったと思うが
様子を見る事に。
その日、旭は部屋から
出てくることはなかった。