もう⋅⋅解放⋅⋅して⋅⋅⋅下さい
✩✩旭SIDE
結月ちゃんに
言われた言葉が頭の中で
繰り返し、繰り返し
流れていた。
自分のやってきた事
今、やっている事は·······
どれだけ、紬を傷つけているのか
計り知れない。
俺が·····全て·····
俺が······悪いのだから
紬を自由にして······と
思うのに····
わかっているのに·······
できないっ······
でき····ない·····
紬を失う·····事が······できないっ·······
“ コンコン ”
ノックの音と共に母の声が
「旭、今、大丈夫?」
返事をしない俺に
母は、ドアを開け
俺を見て、動きを止めた。
俺は、この数日トイレに動くだけで
食事もしていないし
会社も休んでいた。
母は、お粥とりんご、お茶を
運んでくれた。
「葵君が、パパいないって
泣いていたよ。」
と、言われた。
なのに·····
俺の心を締めるのは紬で。
葵や茜ではない。
俺は、独り言の用に
結月ちゃんからの言葉を言う
母親が息をのむのがわかった
「だけど····だけどっ
紬を自由にしてやれないんだよっ」
と、泣く俺に
母も涙を流していた。