もう⋅⋅解放⋅⋅して⋅⋅⋅下さい
まさか、紬に会うとは
思ってもいなかった。
大学ニ年の時に
アメリカの友達から
企業の準備が出来たと連絡があって
アメリカの大学の編入試験を受けて
渡米をした。
俺は、自分の夢に向かって
夢中だった。
だが、その中で
紬との別れは辛い物があった。
紬も一緒にと考えた。
だが、紬は日本で雑貨屋を
経営することをずっと考えていて
紬の父親とも話しが進んでいた。
そんな紬に
俺は、言えなかった。
だから、渡米しても連絡を
取り続けていたが
ある日から紬との連絡が
取れなくなってしまい。
酷く傷付いている自分に
驚いた。
これ程までに紬が
自分の中でしめていた事を
思い知ったのだった。
あれから日本で行われる同窓会にも
参加した、だが紬とは
ずっと会えなかった。
それが······
「懐かしい。」
と、笑みを浮かべて話す紬に
「そう言うと思って
ここにしたんだ。
さあ、食べよう。」
と、二人で食事を堪能した。
「味もかわらない。
とっても美味しかった。
連れてきてくれて
ありがとう。」
と、言う紬に
「なぁ、あの時
どうして、いきなり連絡が
取れなくなったんだ?」
と、訊ねた俺に紬は
「あの時?
伊っ、相馬君がアメリカに行った後?」
「ああ。」
「別に用事があったわけではないけど
い····相馬君に電話したの
その時、電話に女性が出て
驚いている私に
イオリは、今シャワー中だけど
何かようか?とね。
ああ、相馬君に
お相手ができたなら
邪魔したら行けないと思ったの。
相馬君は、前に進みはじめたのだと。
でも、私は····
また、何かにつけて
相馬君に連絡してしまうかも
しれないからと
相馬君に関するデータは
削除したの。」
「で、同窓会にも参加しなかった。」
「えっ、うん。でも、なぜ?」
「わかった。
あいつ、エマだ。」
「エマ?ああ、彼女の名前。」
「嫌、彼女でもなんでもない。
一緒に企業したカルロスの妹。」
「·······妹?」
「あの日、カルロスの家に招かれて
カルロスの両親と一緒に飲んでいたんだ
携帯がないことに気づいて
取りに行こうとしたら
エマが持ってきて
なぜ、エマが持っているのかと
問い詰めていたら
カルロスが、まあいいじゃないかと
言うから、携帯を受け取り
中を確認したんだ
着信とかもなかったから
二度と触るなと忠告して
その時は終わったけど。
俺は、セキュリティで
暗証番号の設定とかしてなかったから
あの後からは設定したんだ。
あの時、やはり、電話あったんだ。
翌日、アパートメントに戻って
直ぐに紬に電話したけど
紬と連絡が取れる事はなかった。
焦った俺は、高校や大学の
同窓会役員に連絡をして
紬の連絡先を訊ねたが
あいつら紬の実家しか知らなくて
実家暮らしではないのに
連絡もできなくて
同窓会ある時は、教えて欲しいと
頼んだんだ。
黒田( 結月の旧姓 )の連絡先を
訊いておけば良かったと
後悔したんだ。
で、同窓会がある時は帰国したけど
紬には会えなかった。」
と、話すと
紬は、驚きながら
「······えっ····と、ごめんね。」
と、言った。