もう⋅⋅解放⋅⋅して⋅⋅⋅下さい
6章 嘘

紬は、お店があるから
帰りは、20時位になるが
今日は休みのはずだ。

「ただいま。」
と、玄関をあけるが
家の中は、真っ暗で
「紬? つむぎ!!」
と、名前を呼びながら
リビングに行くと
真っ暗の中
紬は、ソファーに腰かけていた。
「おい、紬。
どうした?どこか悪いのか?」
と、紬のおでこに手をあて
熱をはかろうとすると
その俺の手が届かないように
紬は、身体を動かし
「ねぇ、旭。
あなたは、同窓会の日
どこに泊まったの?」
と、訊ねた。

俺は、すかさず
「実家に泊まった·····と
       言ったよね。」
と、答えると
紬は顔を上げて、俺の顔を見て
「今日、お義母さんから
電話があって
私がお義母さんを嫌っていても
旭は、自分の子供なんだから
たまには、帰しなさい。
と、言われたの
どういう事?」
と、言うと
「⋅⋅⋅⋅おっ、お袋、ボケたか?」
と、慌てて言い訳をすると
「旭、私はね
子供の事で、お義母さんに
色々言われるのは
辛くて嫌だけど。
お義母さん自体を嫌いではないし
お義母さんは、
嘘をつくような人ではないわ。」
と、言われて

俺は、もう無理だと思い
土下座をしながら、何度も謝り
あの日の茜との事を話した。

だが、あれから一度も
連絡していないし
連絡先も知らないと
必死で言った。

紬は、悲しそうな顔をして
「旭は、ああやって
平気で、平然と私に嘘を
    ········つくんだね。」
と、言いながら······

「ごめん。
旭といることは無理だから
お店で寝る。」
と、言い
フラフラとしながら
出ていく紬

このまま紬が、
いなくなるような
そんな不安にかられて
後から紬を抱き締める
「⋅⋅⋅⋅きゃっ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅
  ⋅⋅⋅⋅⋅⋅離れて⋅⋅⋅⋅触らないで⋅⋅⋅⋅⋅!!」
と、身体を固くして
ふるえながら言う紬に
どれだけ·····
紬を·····傷つけた····のか·····


今まで一度も

こんな事は⋅⋅⋅⋅なかった⋅⋅⋅⋅⋅から⋅⋅⋅⋅⋅



« ガチャ−ン »

  玄関のドアがしまる

俺は、リビングから繋がる
廊下に座りこんだまま
動くことができなかった。
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