もう⋅⋅解放⋅⋅して⋅⋅⋅下さい
✮✮結月SIDE
結月は、健太に連絡をしてから
タクシーに乗り込み
伊織にメールをした。
《 手が空いたら連絡をして 》と。
簡単に紬が倒れて病院へと
運ばれた事を伝えて。
検査室の前にいる旭を見て
怒りのピークに達した結月は、
つかつかと旭の前に行き
旭の頬を叩く
“ パァーン ”と音が響いた。
結月は、自分の手を抑えながら
「帰って下さい。
あなたも。あなたも。」
と、旭と里子につげる結月顔は
怒りと涙で溢れていた。
それでも旭は、動かずにいると
「あんた、どれだけ紬を
傷つけたら気が済むの?
自分達の都合の良い考えや
思いばかりを紬に押し付けて
紬は、あんた達のおもちゃじゃないのよ!!」
と、言う結月に
「·····私達は·····
と、言う里子に
「かあさんっ!!」
と、それを阻止する旭
「あなたも一緒よ。帰って!!」
と、叫ぶ結月。
「妻が、すみません。
ですが、妻の言うように
お引取り下さい。
私は、紬さんから
全てを任されています。
弁護士の高橋と申します。」
と、健太は名刺を里子に渡した。
里子は、名刺と健太、結月をみる。
結月は、そのままベンチに座り
検査室のランプを見ていた。
里子は、嫌がる旭をなんとか
立たせて病院を後にした。
少しすると結月の携帯がなり
「黒田、どういう事だ!」
と、言う伊織に
結月は、旭から聞いた事を伝え
紬の状態は検査中でわからない事を
伝えた。
伊織は、イライラするが
結月は、今現在わかっている事を
きちんと伝えてくれていることは
わかっている
自分が紬の側にいてやれない事への
苛立ちだ。
「すまん。黒田。
分かり次第頼む。」
と、言う伊織に
「わかってるから大丈夫。
あっ、高橋ね。」
と、言うと
「ああ、すまん。」
と、言って伊織は電話を切った。
健太は、結月の身体を抱き寄せた
「ごめん。叩いてしまった。」
「くすっ、そうだな。
良いんじゃないか」
と、言ってくれる健太に
結月は頷きながら涙が溢れた。