もう⋅⋅解放⋅⋅して⋅⋅⋅下さい
一週間が過ぎた。
二日前に日本へ戻った伊織は、
紬に付き添っている。
主治医と師長には
内情は知らせていた。
結月は、紬の着替え担当だ。
alkuも、伊織に言われて開けている。
バイトの二人にも継続して
お願いした。
二人ともalkuが気にいっているから
とても喜んでくれた。
結月は、家庭もあるから
無理をしないように伊織は
伝えていた。
紬の大切な人だから。
相馬 伊織 34歳
輸入雑貨の会社を経営し
各国の伝統技術に力を入れたり
経営手腕に長けている。
資産運用も手堅く資産もかなり持っている。
身長は、188センチと高く
栗色の髪は少し長く簡単に流している。
本やパソコンを触るときはメガネを
かけるが普段はコンタクト
堀が深く綺麗な顔立ちをしている。
旭や健太とは、また違う部類の
イケメンだ。
大きな二重目の目尻には
笑うと深いシワが入り
これがまた目をみはる。
綺麗でスマートな紬と並ぶと
テレビの収録に間違われるほど。
伊織は、紬の体位を変えたり
手足のリハビリ等を習ったり
献身的に紬に寄り添い
「紬、目覚めるのは嫌か?怖いか?
お前が嫌ならこのままでも
構わない。
俺は、どんなお前でも
生きてさえいてくれたら良い。
だけど、出来ることなら
俺にお前を守らせてくれないか」
と、手を撫でながら毎日伝える。
その言葉を病室の外で聞く結月は
たまらない気持ちだった。
その時·····紬は······
もう、嫌だ。
どうして·····どうして·····
こんな思いをしなければならないの·····
家族で一緒に暮らすなら
私と縁を切ってからにしてほしかった。
なぜ、私だけが宙に浮いていなければ
いけないの
自分達が幸せなら、それで良いの?
本当に·····もう····たくさん·····
もう···何も····考えたくない·········
このまま·····ずっと·····
眠って····いたい···········
目覚めなければ······
嫌な思いもせずに·······
すむ·····からっ·······