もう⋅⋅解放⋅⋅して⋅⋅⋅下さい
✬✬旭・里子・茜SIDE
翌日の夕方
バラバラで高橋弁護士の元へと。
三人が揃うと
高橋さんは、自分の紹介をして
旭の前に離婚届を置いて
記入するように促す。
だが、旭は下を向いたまま
顔を上げない。
「太田さん、離婚届に署名して
頂かないと裁判になります。
裁判になっても
あなたに勝ち目は100%ありません。
あなたは、不貞行為をし
尚且、その女性との間に
お子さんまでいる。
あっ、申し訳ありませんが
あなたと佐川さんのお子さんは
間違いなく血の繋がりがあります。
佐川さんが調べられた書類を
お預かりしています。
その上、夫婦共有名義の預金から
勝手に佐川さんへ支払いを
していますね。
そちらも問題なんです。」
と、言われて
不貞行為と言われて拳に力がはいる。
どれだけ後悔したか
どれだけ悔やんだか
計り知れない。
だが·····かけない·····動けない······
すると、高橋さんは
「では、こちらを先に。」
と、言われて
旭、里子、茜の前に二部ずつ
書類を置いた。
三人は、書類をみる。
まずは、太田 旭さんから
・秋元 紬さんに対して
慰謝料請求として700万円
「詳細は先程お伝えした内容です。
本来なら、紬さんから
マンションも共有名義の預金も
いらないと言われていますから
もっと請求しても、と思いましたが。
この金額と致します。
署名をお願いします。
紬さんは、太田を外れるのは
確定していますから
書面上は、〈 秋元 〉となっています。」
と、高橋さんから言われた。
「それでは、太田 里子さん。
あなたは、医学的に何も問題のない
紬さんを壊れたおもちゃだと
言葉の暴力を与え
紬さんを酷く傷つけました。
その上、紬さんが傷つくとわかっていて
息子さんである、太田旭さんと
佐川茜さんとお子さんを含めて
一緒に暮す提案をした。
この事が、当事者である
秋元 紬さんをどんなに
傷つけたかわかりますか?
その代償として
あなたには、200万円の請求を致します。
こちらに署名を。」
「最後に、佐川茜さん。
あなたは、紬さんが太田 旭さんの
妻であることを知りながら
紬さんの経営するalkuに出向き
紬さんに接触をしましたね。
何も知らない紬さんは、
あなたの事を良い方だと言われて
いたようですが
その裏切りと恐怖心を与えた
代償として300万円の請求を
致します。
あなたにも、もっと請求しても
良いのですが。
この金額を提示します。
こちらに署名を。」
説明をしている間に
里子は、直ぐに署名をした。
旭は、離婚を認められずに
茜は、そんなお金·····と。
「不服でしたら、他の弁護士に
相談してください。
書面は、お持ち頂い手構いませんから
記載されましたら
一週間以内に書面の郵送と
ひと月内に振込をお願いします。
この金額は、秋元 紬さんの
意識が戻り、元の生活が出来る
事が前提です。
このまま意識が戻らない
または、何か障害が出た場合は
この限りではありません。
そのような場合は、
改めてご請求させて頂きます。
旭さんは、早急に離婚届に
署名お願いします。
ご連絡ない場合は、会社にも
連絡させて頂き、裁判の審議に
かけます。
それでは、最後に」
と更に二部ずつ書類を出された。
それは、
秋元 紬さんへの接触を禁ずる
と共に秋元 紬さんの経営する
雑貨屋alkuの入店も禁ずる
と、記載されていた。
「尚、佐川葵さんに関しましては
署名ができませんので
母親である佐川 茜さんの管轄とし
責任を持って対処して頂く
書面もあります。
佐川 茜さん
佐川 葵さんの名字が
変わられたとしても
この署名は有効である
記載もされています。」
との事だった。
里子だけは、
どちらの書類にも署名を済ませ
紬の事を訊ねたが
「まだ、意識は戻っていません。」
と、高橋弁護士は淡々と言った。