もう⋅⋅解放⋅⋅して⋅⋅⋅下さい
21章 未来へ向けて

三食取れるようになった。
お粥から普通食に変わり
リハビリも行った。

私が今すべき事は、
身体を元に戻して元気になること。

そして、結月のお陰で気づいた
自分の気持ちに従う事。

退院してalkuに戻り
結月と健太さんと話して
旭と暮していたマンションから
荷物を運び出す。

自分の衣類と両親の物だけ。

alkuの仮住まいは広くないから
貸しコンテナに保管し
両親の仏壇は小さいサイズだから
alkuに運び、生活できる最低限の
リフォームをした。

終わり次第、健太さんに
マンションの鍵を渡す。

健太さんが
部屋に入る許可を旭にもらって
くれて、終わり次第鍵を
返却すると伝えてくれていたから。

家電や食器類、細々としたものは
廃棄をお願いした。
旭が茜さんと使用するかもしれないが。

私に関するものは
全て持ち出し
必要ないものは廃棄した。

結婚写真やデーター類も
私には必要ない。
家にあるものを勝手に廃棄したが
旭も携帯に少しは
あるだろう····

太田の実家にも写真等あるだろうが
私には感知できないから
考えない事にした。

全てが終わり
名義変更なども済ませて
結月に、またまた、無理を言って
一週間休みを貰い
渡米する。

「結月、本当にありがとう。
無理ばかり言ってごめんね。
行って来るね。」
「お土産楽しみにしてるから。
気をつけて行くんだよ。
お店の事は、任せて。
相馬君としっかり話しておいで。」
「うん、うん。わかった。
振られて落ち込んで帰ってきたら
慰めてよ。」
「はいはい。一緒に
二日酔いになるまで飲もう。」
まぁ、ありえないけどね。
と、言った結月の言葉は、
私には、届いていなかった。

「健太さんに宜しく伝えてね。」
と、言ってから
空港に向かう。
明日の朝一便で日本を発つ。

伊織には、連絡していない。
なんとしてよいのか
わからないし······
臆病な私は、逃げたんだ。

会ってから、直接伝えたい。
ちゃんと、伊織の顔を見て。

ドキドキしながら
 その夜は過ごした。
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