もう⋅⋅解放⋅⋅して⋅⋅⋅下さい
結月がさっと立ち上がり
口を開こうと···
「すみません。
関わってはいけない書面を
交わしているのに。
お体大丈夫ですか?
それだけが心配でして。」
私は、結月に大丈夫だよ
と、小さい声で伝えて
「ご無沙汰しています。
身体の方は問題ありません。」
と、答えると
「良かった。」
と、言いながら涙を流す茜さんに
この人も苦しんだのかな
と、思っていた。
気づかなかったが
茜さんの横に男性がいて
「本当に話しかけたりして
申し訳ありません。
私は、川越と申します。
茜は、私の妻です。
本当にあなたには、どんなに謝罪をしても
許される事はないと思っています。
ですが、ことあるごとに
紬さんは、大丈夫かしら?
と、言う妻に
いつか、紬さんの元気な姿を
見る事ができたら·····と
本当に申し訳ないのですが
自己満足なだけですが
そう思っていました。」
と、頭を下げる茜さんのご主人?に
何を、どう答えたらと
思っていると
「本来なら法的措置を取る所ですが。」
と、健太さんが。
「「健太さん!! 健太!」」
と、私と結月が言うと
健太さんは、私達に向かって手を上げ
大丈夫、と示すと
「紬さんのご主人の配慮です。」
と、健太さんが言い
はっと、後を見ると
伊織が亜希翔を抱いて亜希翔の口に
指をあてて、しーっと言ってた。
伊織が前に出て
【あなた方の言動や行動は
紬を大きく傷つけました。
ですが、あなた方のおかげで
私は紬を諦めずにすんだのも事実です。
もう、過去にとらわれずに
共に生きてくれる
ご主人やお子さんを大切に
して下さい。
いつまでも過去にとらわれていると
自分を見失いかねないから。】
と、言うから私も
【お互いに自分の幸せを
大事に大切にしましょう。】
と、伝えると
「「ありがとうございます。」」
と、二人は頭を下げてから
その場を後にした。
店内で少し騒い為
回りのお客様の迷惑を考えて
私達は、その場所から移動した。
伊織は、私を心配するが
私は佐川さんに対して
何も思うことはなかった。
それは、私の事を一番に
考えてくれる伊織がいるから
結月がいるから
健太さんがいるから
それに私の宝物の亜希翔が
いるから。
そう、皆に伝えてから
【ありがとう。】
と、言うと。
伊織は、亜希翔事
私を抱き締め
結月は、ほっとした顔をしていた。
健太さんは、
「今回は、紬ちゃんと伊織君に
免じて俺は見なかったことにするよ。」
と、言ってくれた。
佐川さんが今のご主人と葵君と
幸せになって欲しいと
私は願う事ができた。