もう⋅⋅解放⋅⋅して⋅⋅⋅下さい
24章 事件

❖❖成長



時は流れ········

亜希翔は、大学を卒業して
伊織の輸入雑貨の会社で
勉強しながら
国々を回り仕入れをしたり
レストランや花屋やホテルを
買い取りオーナーとして
手腕を広げていた。

伊織は、俺より凄いから
と、自慢している。

琴葉は、日本に戻るか悩んでいた。
相馬の両親を心配しての事だ。

大学も日本の大学を選び
おじいちゃんとおばあちゃんの
お家から通っていた。
本当に優しい子だ。

相馬の両親は、
「琴葉の思うように
生きて良いのよ。
私達の事は、大丈夫だから。」
と、言ってくれたらしくて

沢山悩んで、沢山考えて
紬の店・alkuをやらせて
欲しいと言われて
結月と相談して
任せる事にした。

結月の子、結菜は健太さんの
後を追い弁護士の道に進んむ。

琴葉は、結月に教わりながら
alkuの経営を覚えて行った。

伊織は、離れて暮らす琴葉を
心配して色々口を挟むが
かえって、琴葉に煙たがられて
ショックを受けていたから
【伊織、心配はわかるけど
私達の娘だよ、大丈夫。
信じて見守ってあげようよ。
相馬のお義父さんやお義母さん
もいてくれているから。】
と、言うが
どこか上の空だ。

こんなことは
今までなかった。
琴葉が大学に行くときも
心配はしていたが
ここまではなかったから
私もどうして良いか
わからずに結月に相談して
しばらく、ほっておくことにした。

父親と言うのは、娘に対して
そうなのかもしれない。

急に親離れされて
今まで慈しんできた
娘が離れてしまいどうして良いか
わからない。
私も父から大事にされていた
父もそうだったのかな?

伊織が話してくれないと
わからないし、どうすることも
出来ないから······

そんな中
一週間、二週間と過ぎて行った。

カルロスからも心配されたが
伊織の好きな用にさせてあげたいと
話した。

私は、今、伊織のそばにいても
必要とされていないのが解るから
ドイツへ旅行に出かけた。

ゆっくりドイツを回りたかったから
とても楽しみだった。
子育ても終わり
二人とも元気で心優しく
自分の考えをきちんと持った
大人になってくれたと思う。

だから、伊織が、私を必要としないなら
私は、私で好きに生きても良いと
そんな風に考えていた。

結月は、伊織に呆れていたけど
【夫婦なんて、そんな物かもね
って、所詮他人で脆い。】
と、話すと
【そうだけど。
あんなに紬、紬って
言っていたのに。】
【琴葉を大事に思っていると
言う事でしょ。
私は、一人でのんびりしてくる。】
と、話し翌日、ドイツへと旅立った。

ドイツの事は、結月にしか話してない
必要ないと思って。
< 95 / 103 >

この作品をシェア

pagetop