灼けるような恋の先。




始業式という名の入学式準備を終え、帰宅時間。




結局晄は教室に戻ってもいなくて、バッグもなかったから帰っているのだろうと頭を抱えた。






「とりあえず帰ったら晄宥めてくるよ」



「あぁ、放っておいてもいいんじゃない?」






朝の自転車を灯が押して私が横に並んでそんな会話をする。


灯は少し晄に甘いんだよ。






「でも、晄も友達取られたみたいで寂しいんじゃないかな?」



「知らねー。なんでそれで私が言われなきゃなのか」



「まぁまぁ、晄は俺たち意外に友達居ないから」



「それはそれでどうなんだよ」






あんな性格だからずっと友達付き合いせず生きていて、私達が友達になったら友達に依存って最悪かよ。



なんて会話をしつつ、私も灯に宥められながら家に帰ると灯の靴があった。






「やっぱり帰ってきてんのか」



「みたいだね、部屋覗いてくるよ」






灯の言葉に頷き返して、やっぱり晄に構うなんて優しすぎると思いながらリビングのソファーに寝転ぶ。





ソファーに寝転びながらウトウトする私は、よく2人と付き合わないのか恋仲にならないのかとか言われることを思い出していた。






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