灼けるような恋の先。




何か言い続ける晄を無視してそのままクラブの中に戻ろうとドアを開けた私と樹に走りよってきた晄は


突然樹のポケットから婚姻届を取り出して声を上げる間もなくビリビリと音を立てて破った。






「てめぇ!!」






あまりに突然の行動に防げなかった樹は破り捨てた晄の胸ぐらを掴んで

今度は晄が声を出す間もなくグーで顔面を殴り飛ばす。




ガシャンと音を立てて倒れる晄は痛そうに顔を歪ませる。






「どこのどいつか知らねぇがいい加減にしろよ!!!」



「い、樹!」






ヤバい

樹が完全にキレてしまった。



そう気づいた時には遅く、起き上がる前の晄のお腹を蹴って息つく間もなく顔を殴ってを繰り返し始めた。






「樹やめろ!!」



「うっせぇ黙れ!!こいつが悪ぃんだろ!!!殺してやる!!」






なにもそんなにキレなくてもいいだろ。


そう言いたいがそんなこと言ったら火に油だ。




痛がる晄を掴んで投げてまた殴る。



どうにかして止めないと本当に晄がボロボロになる。






「樹!やめないと結婚しないからな!!」



「んだと!!!そんなこと許されるわけねぇだろ!!!」






見境の無くなった樹に声は届かず、口出しをした私も思いっきり回し蹴り飛ばされた。



その後1発顔面を殴られて痛みを耐える。



それからは晄をただただ殴り蹴り投げ続けたのだった。






< 113 / 199 >

この作品をシェア

pagetop