灼けるような恋の先。
「それになんかあいつ嫌だ。
菫のこと俺らから取ろうとしてるように見えんだもん」
晄は少し寂しそうにそう呟いた。
「取るって…友達になりたいだけだろ?」
「絶対違う」
困ったな。
晄は何かと野生児みたいに感がいいから何かを感じとったのかもしれないけど、こんな頑なになられると本当に困る。
友達以外に何があるって言うんだ。
「とにかく!俺はあいつを認めないからな!」
「えぇ…」
宥めるつもりだったのに宥めることが出来ない俺は頭を抱えるしかなかった。
晄は本当に手がかかる。
なんて言ったらまたお母さんだとか言われるんだろうな。
「あーあ、なんか怒ったら腹減った!!リビング行こーぜ灯」
「あぁ、うん」
感情がジェットコースターな晄はそう言うと俺の手を引いてリビングへと歩き始めた。