灼けるような恋の先。
「ごめんね樹。
私もう逃げずに過去と向き合う。
灯への気持ちの整理をつけれるよう努力する。
一旦家に行って遺品の整理もする。
行けなかったお墓参りも行く。
だから樹も暴走しないようにして?
全部終わったら結婚しよう」
私にとってはとても難しく、まだ死んだのも受け入れられないくらいだけど樹への条件として提示すると
樹はしばらく考え込んだあとゆっくりと頷いた。
「わかった。
菫のこと信用していいんだな?」
「うん、ちゃんと自分と向き合う」
「ならそうする。
俺は菫に一目惚れだったけど、こんなに好きになったのは菫が菫だからな」
「ありがとう」
条件を飲んでくれて、私の気持ちを尊重してくれた樹に感謝してキスをする。
きっと大丈夫。
向き合って、ちゃんと前に進めるはず。
この時の私は心からそう思っていた。