灼けるような恋の先。
【菫side】
何かは分からないけど夢を見ていた私の足に重みがかかって夢から覚めた。
「ん?」
夢から覚めると現実で私の太ももに図体のでかい晄が乗ってきていたのだった。
そりゃ重くて夢から覚めるわ。
「なにしてんの」
「えー、よく寝てるなーって思っただけ」
「退け邪魔、乗るなら私の方だろ私の足が折れるわ」
私の言葉に素直に立って座り直す晄。
その膝の上に私は乗る。
「てか、拗ねてたんじゃないのか?」
「んー、菫は俺のだから今はいいかなって」
「いや私はあんたのものでは無いけどね」
「えーーー」
パタパタと足を動かしながらえーと言いつつ笑う晄に訳が分からないけどまぁいいかと思った。
灯と目が合っても灯は曖昧に笑うだけだし。
「あ!今日鍋にしてよ灯!」
「いいね、鍋。よろしく灯」
「全く少しは手伝うんだよ?」
「「はーい」」
笑いながら承諾する灯に私と晄は顔を見合わせて立ち上がる。
鍋の材料を買い出しに行かなきゃねと言った灯について行くのだった。