灼けるような恋の先。

悪化





結局家の外までベッタリ着いてきた晄は、家に入る前に謎に手を繋いできた。






「なに?」



「俺本気だから」



「そんな事言われてもね」






手を握り真剣な顔でそんなことを言う晄の対応に困ってしまう。



確かに晄は前と変わったし変わらない部分もあって不思議な気分にはなる。



だけどそれは恋愛じゃないから。




なんて晄と会話をしていると、玄関のドアが開いて樹が顔を出した。






「何やってんだよ。
俺の菫に手出してんじゃねーぞ!!」



「ちょっ!」






私の手を握る晄を見た瞬間そう詰寄る樹の顔はもう既にキレてて手を引いて引き止めるけど振り払われてしまう。






「違う!違うんだ樹!!
これは、私が!私から手出したんだ!つい出来心というか!!」






また晄に手を出されては困る。


そんな私の言葉にキレた顔の樹は私を睨む。






「あ?ふざけてんのか?」



「ううん」



「浮気じゃねーか!!」



「いやいや、ほんの出来心だって!あるだろ?樹もそーゆーこと!」



「ねぇよ!!俺はお前しかキョーミねーから!!お前と付き合ったこの5年1度たりとも他の女を抱いたことも抱こうとしたこともいいなと思ったこともねぇ!!」






しってる。


チャラそうなのにめっちゃ一途で裏切らないの。



でもこうすることでしか晄を守れないんだもん。






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