灼けるような恋の先。
どれだけ殴られ蹴られ続けたか分からず、身体中痛くて動けないで寝転んでいると
樹がお風呂から戻ってきた。
「菫ごめんな…俺菫のこ好きすぎるから浮気とか考えただけでおかしくなりそうなんだ」
お風呂から上がった樹は普通に戻っていて、入る前までの凶暴さが消えている。
ふと外を見るともう夜は開けているようで、だいぶ長い間殴られ続けてたんだな…。
「菫大丈夫か?」
「うん」
落ち着いた樹は私の元に来て抱きしめるが、その力でさえ傷に響いて痛みが生じる。
「骨いってるかもな…」
「大丈夫。
私にならまぁ暴走されてもいいけど、他の人にしたら本当にダメだからな」
痛いけど、この痛みをほかの人にも味わわせる訳にはいかないし、本当に殺しちゃったりしたら捕まるしそうじゃなくても下手したら捕まるから。
私だと警察に言わなきゃいいだけだからな。
そんな私の言葉にしゅんと項垂れて反省した様子の樹。
「私の方こそごめんな。
私は本当に浮気なんてしないから、樹と一緒だから安心して」
私の言葉に樹は頷いたあと、思いついたようにニッコリと
でもどこか影のある笑みを浮かべた。
「決めた!浮気しないよう菫を仕事の時もずーっと俺の傍に置いとく。どうやってでも離れなきゃな時は家から出れないよう拘束しとく。
そーだな、GPSもつけとこ。」
「え?」
「あ、あともうほかの男が近づかないようもっと刺青見れようぜ!俺も入れるから!お揃い!
肩にワンポイントとか可愛いもんじゃなくてガッツリ!
さすがにガッツリ刺青ある女なんてそうそう手出されないだろ」
「いや、ちょっとまってよ」
ニコニコととんでもないことを言う樹を止めようと声をかけるもキッと睨まれてしまう。