灼けるような恋の先。
「ピアスも色んなとこに付けさせよう。
耳はあと両耳とも2つ増やして、臍と眉と舌にもな。鼻もだな、俺もそーするからなー。」
待って、何なんで急に…。
刺青とかワンポイントでさえ嫌だったのにこれ以上したくないんだけど…。
そんな私の意思なんてお構い無しにピアッサーを持ってきながらどこかに電話をかけ始める樹。
「すぐ彫ってもらおうなー。」
「ちょ…」
ニコニコとこわい笑みで恐らく懇意にしている彫り師さんに電話をしているようで予約をぱぱっと取ってしまう樹。
「なんで…!」
「は?なんでじゃねぇだろ、菫が悪いんだろ??
悪いやつにはお仕置が必要だろ???」
「だからって…そんな一生残るものを…」
「別にいいじゃねぇか。俺は菫がガッツリ刺青入ってても引かねぇし俺も入れるし。
それともなんだよ、俺以外と今後なにかある予定でも??」
私を睨みつけてそう問いかけてくる樹に私は首を振るしかできない。
こんな顔のこんな暴走の仕方する樹は初めてでどうしていいんだろうか…。
「まぁまぁ、大人しく俺の言うこと聞けよ」
樹はそう言うと、ピアッサーを持って私の体を押さえつけて耳にピアッサーを当てた。
どうすることも出来ない私はもう抵抗を辞めたのだった。