灼けるような恋の先。
どうしてこんなことになったんだろう。
私は痛みに耐えながらそんなことを考えていた。
結局あの後抵抗しても抵抗しても殴られ引っ張られ、刺青を半拘束状態で入れられている。
「楽しみだなー菫」
「…っ」
「これでお前は俺のもの、逃げ出すことなんてできないしもう二度と浮気なんて出来ないな〜?」
ニコニコとさっきまでの機嫌が嘘のようにご機嫌にそう言う樹を私は手に汗を握りながら見つめる。
どこから間違えたんだろう。
樹と出会ったこと?
晄に再開したこと?
私が晄を庇って浮気を疑われたこと??
きっとどれも悪かったんだろうな…。
灯とずっと一緒にいたらこんなことにもならなかった。
でも灯を殺した楓ちゃんにそんな気持ちをさせたのは私。
やっぱり私が全部悪いからこんなことになっても仕方ないのか…。
色々考えて諦めて、でもまた考えて。
永遠と繰り返す私の思考。
「愛してるぞ菫、俺だけの菫。」
そんな言葉を言いながら私の手を取る樹。
こんな私でもそこまで執着してくれる樹の言うことをきっと聞くのが1番幸せになれるのかな…?
背中に走る痛みの中、私はこれから先一生樹と一緒にいる想像をして少しだけ涙が出たのだった。
これがなんの涙なのか、私にはもう分からない。