灼けるような恋の先。
6章

籠の中の鳥





樹の暴走してから約1年





この間ほぼ監禁状態で、ずっと樹の監視が着いてて仕事はクラブの管理だけ。
自由もなくて晄にあったり連絡したり、灯の遺品整理も全くできないまま時間だけがすぎたのだった。






私は多分このまま一生樹のおもちゃみたいに生きていくんだろうな。



この約1年で樹に殺されるのではないかと思うほど暴力を受けたし、束縛もあの日から酷いしでクタクタ…。






「結局まだ婚姻届出してないんですか?」






今日も今日とてクラブの休憩室で休憩していると私の樹から受けた傷を手当しながら従業員のハルくんが聞いてきた。






「うん、出てない。
というか最早そんなのいらない俺がずっと逃げられないようにすればいいくらいに思ってるんだと思うよ。
実際こんな背中も腕も刺青だらけの女相手にされないから。」






笑いながらそう言うと、困った顔をするハルくん。






「樹さんのこと尊敬してるっすけど、オレだったら菫さんを痛めつけたり嫌がるのに刺青入れたりとか出来ないです」






心から心配そうな顔でそう言って絆創膏を貼り終えるハルくんは本当にいい子。


そう高くない身長で可愛い顔のピンク髪。


年下っていうのも相まって本当に弟みたいで可愛いんだよな。






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