灼けるような恋の先。
「仕方ないな。私が悪いから」
「そんな…。オレは菫さんに幸せになって欲しいっす」
「あはは、ありがと」
私が晄を庇ってあんなこと言って浮気だと思われたのが悪い。
ずっとそう言い聞かせてるけど、本当にそれでいいのかは悩み。
悩んだところで何も出来ないんだけど。
「菫さん、ずっとこれ渡すか迷ってたんすけど今渡そうって決めました」
「ん?」
ハルくんはそう言うと、キョロキョロと周りを見渡して誰もいないのを確認すると私に手紙が沢山入った箱を渡してきた。
「なにこれ?」
「樹さんの様子がおかしくなったくらいの時にお2人が休みの日に晄さんって方が来て、菫さんを出せってオレに言ってきたんです」
「晄が?」
「いないって伝えたらこれを渡すよう言われたんですけど、そういえば前樹さんと喧嘩してた人だって思ったし、樹さんその頃から菫さんの束縛酷かったんで渡さないでいたんです」
「そうだったんだ…」
「そしたらまた数日後に来て菫さん出すよう言われたんですけど、事情を話したらじゃあ手紙だけ渡して欲しいって毎週渡され続けました。
今まで渡さなくてすみません」
きっとハルくんはどうしていいかずっと迷ってたんだろうな…。
気づかないばかりに困らせる役回りさせてしまったな。
なんて申し訳なさを抱えながら、1番新しいと思われる手紙を開く。