灼けるような恋の先。
手紙の中には
『待ってる』
ただその一言だけ書かれていて、どの手紙を開いても同じだった。
たったこの一言を届けるために毎週毎週手紙を出してたの??
でも…
「ありがとうハルくん。
でも私はもう晄と会う気も無いし、灯のことだって忘れたんだ。
私には樹だけだから」
そう、こんなお絵描きとピアスだらけの身体の私は純粋で無邪気な晄に関わらない方がいいし
こんな私が彼女だったなんて嫌だろうから、灯のことだって封印した。
私には樹しかいない。樹しか受け入れてくれない。
仕事とはいえ色んな異性と関係を持って、こんな身体の汚い私は樹しかいない。
何度も何度も殴られながらそう言い続けられて行くうちに、私は樹の為に生きてるんだ、私には樹しか居ないんだとこの1年で痛いほど痛感したから。
そんな私の言葉にあからさまにしゅんとしてしまうハルくん。
「なんでハルくんが元気無くすんだよ。
私は今幸せだよ。大丈夫だから、な?」
ハルくんの肩に手を置いて慰めるていると、ガチャとなんの前触れもなく空いて不機嫌な顔の樹が入ってきた。
「い、樹さんっ…!」
いつからそこにいたのか。
それが分からず樹の不機嫌顔に恐怖の顔を見せるハルくん。
私は思わず2人の間に入って樹を見つめる。