灼けるような恋の先。
「どけ菫」
「なんで?」
「そいつ締めるからに決まってんだろ。」
「他人に暴力は振るわないって約束だろ」
「暴力じゃねぇ、従業員の躾だ」
ギラギラとした目でハルくんを見つめて私を退かす樹は完全にキレスイッチが入ってしまっていた。
「お前自分の立場わかってねーのかー?
お前は雇われの身で俺がここの1番偉い人間だ。
それなのに俺の目を盗んでクソ男の手紙を菫に渡していいと思ってんのか?あ?」
「す、すみませんっ」
「挙句自分なら菫が嫌がったら刺青もピアスもしないだと????
お前は間違ってんだよ、菫は嫌がってんじゃねぇ、喜んでんだよ。菫は俺のものだから俺の好きにしていいし俺の言うことはなんでも喜ぶんだ。」
ギラギラの目とは裏腹に静かに言いながら怯えるハルくんの肩を手を置く。
「なぁ菫、嫌よ嫌よも好きのうちって言うからなー?嫌じゃなかったんだろ?」
「……そうだな…。とりあえずハルくんから離れろ」
そう、私は樹のものだからもう何をされてもいい。
だけど他の人はだめだから。
そんな私の言葉に首を傾げる樹。