灼けるような恋の先。




連れてこられた人を見て私は目を見張った。






「お前らの話立ち聞きしてたらちょうどこいつが来てるのが見えたから捕まえたんだよー。
菫のストーカー捕まえた俺偉いだろ??」



「…なんで…」






そう、連れてこられたのは晄だったのだ。



しかもその姿はボロボロで、縄で縛られている。






「お前が俺で感じる姿みたらお前のこと好きなやつらも諦めるだろ?
ほら、全部服脱げよ」



「えっ…」



「なに?言うこと聞けねーの??だったらハルも晄も殺すよ?」



「殺すって…」



「本気だけど」






樹はそう言うとどこからともなく刃物を出してにっこりと笑った。



そんな姿にハルくんは息を飲み、晄は腫れた顔で樹を睨みつけている。



だめだ、また私のせいで人が死ぬかもしれない。



そう思うと樹に従う以外なくて、その場で着ているもの全て脱いだ。






「はは、やっぱ最高だよ菫。
お前は俺のものだ」






そう言いながら私にキスしながら背中の刺青をさする樹。






「見せつけてやろうぜ俺らがどんだけラブラブか」






その言葉の後樹は私を激しく抱いたのだった。



ハルくんは全くそんな関係でもないし、晄だってボロボロにされる様なこともしてないのに

私が少しでも関わるとこんなことが起きるのか。




やっぱり灯の事件も私のせいだったんだな。





そんな気持ちで目を背けるハルくんと、ただただ睨みつける晄に心の中で謝った。






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