灼けるような恋の先。




それから映画や買い物をしたけどずっと気分が悪かったり良かったりで微妙で、女の勘ってやつかなドラッグストアで妊娠検査薬を買ってきた。





基本樹は避妊なんてせず、前に私の薬も取り上げられてからは本当に避妊無しでしてたから出来ててもおかしくないもんね。






「妊娠検査薬ってお前妊娠してんの?」






家に帰って検査薬を持ってトイレに行く私はそう話しかけられたけど、首を傾げるしかない。






「わかんない、もしかしたらって一応」



「ふーん、早くしてこいよ」



「うん」






樹の今の心境が読めないまま、私はトイレで検査薬を使用する。






「…やっぱり」






検査薬の結果は陽性。


樹との子供。大切な人との子供。



嬉しい。



不安だったはずの気持ちは一気に嬉しい気持ちでかき消されたが、樹はどう思う?



そう思うとまた不安な気持ちが湧き上がってきた。






「おーい、どうだったんだよ?」



「え、あっ」






不安を抱える私を急かすように声をかけられて急いで御手洗から出る私。



樹は私を見るとキョトンとした顔で見ていて、もしこれを言って怒ったらどうしようとか考えて上手く言葉が出せない。






「結果は?」



「え、えっと…。」






いつから私はこんな臆病になったんだ?


自分で自分に呆れて思い切って言葉を紡ぐ。






「妊娠、してた」






< 148 / 199 >

この作品をシェア

pagetop