灼けるような恋の先。




私の言葉の後一瞬しんと静まり帰った部屋に、私は不安で目眩がするくらいだったが


その後すぐに樹はにっこり笑って私の手を取った。






「え、まじ?嬉しい!
俺と菫の子だろ??なんで不安そうな顔なんだよー!嬉しいだろ!」






失礼だけど予想外の反応に私は不安がすっと消えていくのが分かった。






「病院行かないとな」



「うん」






病院、この世界良くないこともある。
怪我だとかそれこそ客や変な輩に妊娠させられただとか。



だからそこで事情を知ってるこの辺の行きつけの病院は暗黙のルールで口出しをしないことになってる。




身体中アザだらけだし多分その病院に行かされるんだろうな。



出来ることならちゃんとした産院が良かったけど。わがままは言えない。






「結婚しないとなー、いつにすっか!
ついにとうとう俺と菫が結ばれる日が来るのかー!一生一緒だ!」






ニコニコと嬉しそうな樹だけど、このまま暴力的だったら子供にも被害は行くよね?



それまでに何とかしないと。






「楽しみだな樹」



「おう!」






嬉しそうな樹をみて、私もしっかりして樹の暴力を何とかしないと。


と、そう強く心に誓った。






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