灼けるような恋の先。
トイレから出て教室に戻ろうとしたところで『ごめん』という楓ちゃんの声が聞こえてきた。
「まだ昨日転校してきたばかりなのに告白とかされても応えられませんごめんね」
転校して次の日に告白とはなかなかモテるねぇなんて思いながら告白が終わって戻る楓ちゃんに見えないところに何となく隠れる。
相手の男は同じクラスで確か誰かと付き合ってた気がするんだけどな…。違うのか?
まぁ私に関係ないか。
芽生えた疑問をそうかき消して私も楓ちゃんと時間差で教室に戻ってドアに手をかけたところで手を止めた。
それは中からガシャンと大きな音が聞こえてきたからだ。
「整形女!クソ最低だな!!性格も整形してこいよ!!!」
「……性格も変えられるなら変えてるよ」
「きも!喋るな!あの美形3人に関わっていいような人間じゃねーんだよお前は!」
「それでも私は菫ちゃんに近づきたくてこんな整形までしたんだもん」
「ほんときもいまじ菫ちゃんにも関わらないでくれる」
楓ちゃんの言葉に違和感を覚えつつ、あまりの言葉の数に教室をのぞき込む。
そこには突き飛ばされたのか尻もちをつく楓ちゃんと
先程教室にいた、灯に振られた女の子3人と晄に振られた女の子1人の4人集団がいた。
まぁ灯と晄のファンVS珍しく私達に歩み寄ってきた楓ちゃんってとこかな。
どうしたものか…。