灼けるような恋の先。
なにそれ??
樹の言葉を頭で理解するより先に棒が振りかざされる方が早かった。
「うっ…!」
「ははは!!!永遠に俺のものだ!!!!」
ケラケラと笑いながらブンブンと何度も降ってくる棒に私の視界は狭まるのを感じる。
「い、つき…や、め」
やめて樹。
戻ってきてよ優しい樹。
そんな私の想いは無駄で、頭からなにやらタラタラと流れてくるのが分かる。
「ごめ、なさ…い」
ごめん樹。
樹に出会ったから。
だから樹はこんなになってしまった。
もし樹が人殺しになったらそれは私のせいだ。
ごめんね樹、ごめんなさい。
「菫!!!お前ふざけんなよ!!!」
遠のく意識の中、晄の怒鳴り声と共に樹が殴られるのを見て私は意識を手放した。
私、生きてない方がいいじゃん。