灼けるような恋の先。
それからしばらく俺は先生に診てもらったりして時が経つと菫はゆっくりと目を開けた。
「菫!」
「……晄?」
消耗しきった顔の菫はお腹に手を当てて苦しそうな顔をした。
そんな顔には何も言ってやることが出来ない俺。
「はぁ…私生きてんだ…」
ため息をついてそんな切ないことを言うのにこっちの胸が痛い。
「菫、俺と抜け出そう。
俺が守るから!」
サイコパス男が起きる前に。
俺の言葉に菫は何を考えてるのか分からない表情で頷く。
「まじで?今日退院できるらしーからあいつが起きる前に行こうぜ!!」
「うん…」
菫に覇気がないのが心配だけど、ひとまずあいつから話すことを優先に考えた俺は
早く退院できないか先生に聞いてくると病室を飛び出した。
どうもここの病院はいい加減というか…信用出来ない感じがするし。
案の定退院もテキトーに自分のタイミングでしていいよーくらいだったのだった。
ハルくんには何も知らない振りをしてもらうことになって、サイコパス男の様子を連絡して欲しいと約束をして俺は菫を連れて俺の住む隣の県へと連れ帰った。