灼けるような恋の先。
決意
翌日
疲れていたのか、珍しく昼近くまで寝てしまってて起きた。
起きたがリビングには菫は居なくてまだ寝てるのか?と思いつつ、部屋をノックする。
「菫ー?大丈夫かー?」
呼びかけるが応答はなく、でも菫がこんな時間まで寝るなんてあるのか?
確かに何年も離れてんだから生活スタイルは変わってるかもだが…。
「おーい、入るなって言われてるけど入るぞー?」
昨日の様子も心配だったしと、声をかけてドアを開けた俺は息を飲んだ。
ドアの向こうには、腕が血まみれの菫が居たのだ。
「す、菫…?!」
「……」
「おい!!やめろって!!」
菫は俺が呼びかけても黙々と自らの腕にカッターで傷をつけている。
その瞳は生気を感じなくて、こんな菫初めてだ…。
「頼むから辞めてくれ菫」
「私、生きてる意味ないから」
「そんなわけねぇよ。
俺は菫が生きていてくれたら、幸せになってくれたら、それが俺の隣ならなお嬉しいけど、それだけでいいんだ」
完全に心が壊れてしまった様子の菫は俺の言葉にポロポロと涙を流し始めた。
「灯のいない世界なんてもううんざりだ…」
「諦めるなよ菫」
「だめだ、樹の頃に戻らないと…!」
菫は要領の得ない言葉を発して今度は脅えたように立ち上がると部屋から出ていこうとする。