灼けるような恋の先。
この6年間、俺はずっと菫が帰ってくるの待ってたのにこんなに無力なのか…。
菫の心の傷は想像より深いんだ…。
暴力で支配されてるんだろうか…。
俺がそんなことをぐるぐる考えてると
玄関のドアをガンガンと叩く音が響き渡った。
「誰だ」
「菫迎えに来たぞー!早く出てこい」
「樹…?」
ガンガンと何度も何度も叩いて出て来い出て来い言ってきているのはここを知らないはずのサイコパス男。
こいつの執念すごすぎだろ…てかなんで場所わかんだよ…。
「俺が菫にGPSつけてないとでも思ったか?」
俺の疑問に答えるようにそう言ってククッと笑う。
「お前俺との子供守れなかったらしいなー?
ほんとだめだなお前、疫病神なんじゃねぇの?」
「…ごめんなさい」
「ふざけんな!!!!!!お前が暴力振るうからだろ!!!!お前が殺したんだよ!!!」
「は??こいつが俺に口出ししてお前の味方して殴られに来たんだろ?
つまりこいつのせいだろうが!!部外者は黙ってろ!!」
無茶苦茶だ。
常識なんて一切通じないのかこの男。
「おい出てこないとお前の大事なもん全部ぶっ壊すぞ」
「っ…ごめん」
サイコパス男の脅しに脅えた顔の菫は俺が止める前にドアを開けてしまった。
開けた瞬間にっと笑うサイコパス男は、菫に近づくと腰を引き寄せて俺の目の前でキスをする。
「やっぱお前は俺がいないとダメだなぁ菫」
「そんなこと…」
「あるだろ?こんなに腕血だらけにしてよぉ」