灼けるような恋の先。




目の前でまたもや菫を奪われた俺はどうしたらいい?


本当に菫がサイコパス男と一緒にいるのを望んでるんだとしたら引き離すのは違うよな?



でも本当は逃げたがってたら??



分からない。菫の気持ちがわからない以上どうしようも無い。




灯だったらどうすんだよ…。






「菫、いいのかよ」



「…わからない、どうでもいい」



「どうでもいいなら俺にしろよ!」



「裏切れないよ…」






菫の言葉に勝ち誇ったような顔をするサイコパス男がうざい。



どうしたらいい、何をしたらいい!!!



考えろ、考えろ。


ここで別れたらきっともう二度と会えない。



どうする、どうする!!!




一生懸命思考を巡らせ、俺はあるひとつの作戦しか浮かばなかった。




これをするのは少し心苦しいし、俺も苦しいし菫もきっと辛くさせる。



でも、サイコパス男に菫はもう渡したくない。




その思いで俺は決意を固めて玄関に背を向けた。






「お?負けを認めたかぁー?」



「俺は諦めない。ちょっと待ってろよ!」






ニヤニヤと勝ち誇るサイコパス男に背を向けて俺はリビングの横にある灯の部屋を開けた。






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